「自分の姿を重ねて…」                     

教室で生徒たちの真剣なまなざしを受けると、十数年前の自分を思い出します。中学受験を決めたのは、5年生の冬のことでした。まだ小学生でしたから、その後の大学受験とは違い、最初は親の方針でした。それから、毎週日曜日の塾通いが始まりました。当時は土曜日も学校がありましたから、年中無休の小学生です。しかし、きっかけは親の方針だったにせよ、志望校合格をめざす強い気持ちは日に日に増していきました。「学ぶ」ことの楽しさが、小学生なりに少しわかってきていたのかもしれません。ですから、合格を勝ち取った時には、今まで味わったことのない喜びを感じたことを、今でも鮮明に覚えています。『この喜びをみんなにも味わってもらいたい』という一心で、今、教鞭を執っています。

 さて、その念願の志望校に入学後のことですが、勉強面においては正直必死でした。中高一貫ならではの進度の速い授業、毎日の予・復習、定期テスト前の勉強など、目が回るほどの忙しい毎日でした。しかし、先生方の熱意は自然と生徒たちに伝わるもので、みんな言われたことはきちんとやっていましたし、それがいつの間にか学力向上につながっていたのでした。当時はつらいと思うこともありましたが、卒業して大学生・社会人となってみると、諸先生方の授業がなつかしくなるものであり、感謝の思いでいっぱいです。

 私が中・高6年間を通して得たものは、勉強のことだけではありません。5年間続けた吹奏楽部は、約100人の大所帯のクラブでしたが、他学年との交流の場でもあり、1つの音楽をみんなで作り上げるすばらしさを知りました。 また、6年間の学校生活を共にし、卒業以降はそれぞれの道を歩んでいる友人たちとは、今でも定期的に会い、現況報告や中・高当時の思い出話に花が咲きます。

 私は中学・高校の6年間は、自分の人生における土台部分だと思っています。この土台がなければ、おそらく今の自分はなかったでしょう。とても大事な時期だからこそ、自分に合った学校選びは必要だと思います。

生徒たちの夢は私の夢でもありますから、自分の目標をかかげ、それに向かってがんばる生徒たちを、縁の下の力持ちとなって支えていきたいと思っています。